本当は先にオーディオのまとめを書こうかと思っていたものの、そうすると結局全量を一度に書くことになって大変なので、個別にエントリを書こうかと思っているやつは分けて書くことでまとめの分量を減らす作戦・・と思っていたらそんな大した内容でもないのに結構文字が多くなってしまった。


ViolectricのヘッドホンアンプであるHPA V550を買いました。ここ数か月Drop関連の話題を幾つか書いてましたが、買ったのはこれです。今考えると初Drop案件としてはかなり大きな買い物なのは否めないところでしたが、Dropの仕組み1を考えるとそれを許してくれなかったというか。結果的には無事届いて良かったですが、Dropに慣れてなかったこともあって戸惑うところも幾つかありました。そのへんは後述します。

購入理由

Violectricのヘッドホンアンプが欲しかったというのが理由です。書いてみると理由になっているようでなってないですが。

とは言え、ここ数年での製品ラインナップが一新された影響か値段が上がっており予算的にも厳しかったため、漠然といつかは欲しいな程度にしか考えてなかったのですが、最近DropでV590のDAC無しバージョンのV550が発売されたということを知りました。DACがない分値段的にもお安くギリギリ許容範囲内であったため、Dropでの再販を待ってみることに。そもそも現在の機器構成を考えるとDACは不要なので、ヘッドホンアンプのみのモデルが欲しかったですし。

どのくらいのスパンで再販されるのか&Dropで注文した後の流れがどちらも良く分からなかったこともあり、とりあえずDropに登録して何かしら適当に買ってみようかな・・とかのんびり構えていたのですが、運が良いのか悪いのか割と早々に再販される事態に。納期がいきなり2ヶ月先だったのでこれがDropか!とちょっと気圧されつつも、送料は思ったより安く(一律20$程度)、価格も事前調査通りディスカウントされていたので、先述の通り購入するに至りました。

なお、2021/7現在はおそらくエントリーモデルとしての位置付けでV340という機種も発売されているようです。私はV550との機能差異2を考慮してそちらを購入することにしましたが、メーカーHPを見る限りヘッドホンアンプとして使う分には割とお買い得なモデルじゃないかと思いました。先日Dropでも販売されてましたし。あ、Niimbusはお値段的に最初から考慮外です。というかそれ買える財力があるならそれ買ってるよ!って感じかも。

後、購入した前後で前モデルのV280がなぜかDropに在庫があったのですが(おそらくキャンセルされたもの?)、新しいラインナップの機種が欲しかった以前にそもそも機器の寸法が合ってなかったので選択肢には入りませんでした。奥行きが30cm強というのはちょっと無理。まあそもそもこのラックの寸法に合うアンプの方が少ないというか、この機器ですらスペース的にギリギリだったくらいなのですが。。

Drop配送の流れと気になった点

という訳でDropで購入が確定したのが5月下旬、その後出荷がほぼ予定通り約2ヶ月後、商品到着がちょうど7月末でした。後から振り返ると大きなトラブルなくスムーズに届いたとは言えるのですが、先述したように戸惑った部分もあるので以下にまとめておきます。

注文した製品のステータスが発送完了まで「Reserved for Shipment」から変化しない3

Dropのサイトで注文した製品のステータスを確認できるのですが、注文直後は結構細かく変わります。

  • Project is running:購入期間中
  • Project run successfully:購入期間終了、製品購入条件達成
  • Order placed with the vendor:ベンダーに発注

みたいな感じですね。まあ日本語部分は意訳というか、なんとなくこんな感じだろうなという推測ですが。。で、その後に「Reserved for Shipment(発送予約済み)」に変わるんですが、この後は発送完了までステータスが変わりません。これには結構戸惑いました。いかんせん注文から発送まで期間があった上それまでは細かくステータスが変わってたこともあり、てっきりもう少し段階的に変わってくるもんだと思ってたので。

ちなみにDropのサイトに上記のようなステータスの詳細な解説とかあっても良さそうなんですが、探しても見つからなかったんですよね。Drop自体のフォーラムでも上記ステータスの意味は?みたいなスレッドがちょくちょく見受けられるくらいなので、多分ないんだろうな・・

発送時の遅延はわりとよくある

この製品の場合は4日遅延しました。これはよくあることみたいです。ただ、ちょっと調べると1-2か月遅延した事例とかも出てきて発送通知までは戦々恐々ではありました。一応、最悪の事態を想定して代替機種の選定に走ったくらいです。最近Dropで別の買い物をした際は予定発送日の2週間前倒しで発送されていたので、今考えるとちょっと過剰反応気味ではあったかもしれません。

発送後のトラッキングが(案内された方法では)行えない

さて、実は一番困ったのがこちらです。

Dropから発送後、トラッキング番号が発番されてこのサイトで配送状況が確認できますよーという通知が来るんですが、いつまで経っても配送状況が確認できないという事態になりました。情報の登録に時間がかかるから1-2日くらい待ってから確認しろとメールに書いてあるのですがそれでも音沙汰なし。トラッキングサイトにアクセス時、専用のスマホアプリでも追跡できると記載あったので入れてみたものの変わらず。

そもそも配送サービスの表示も矛盾していて、Dropのオーダー画面からは「DHL GLOBAL MAIL」というサービス名が表示されてるんですが、トラッキングサイトで表示されてるサービス名は「DHL eCommerce US」なんですよね。DHLは同じですがサービス名が違うし、念のため両方のサービスの公式サイトでトラッキング番号検索かけてみてもHitせず、とマジでどうすりゃええねん状態。

そのまま4日ほど経っても何も変わらなかったので、これはDrop公式に問い合わせるしかないかなーと思い始めた所、突然UPSから「パッケージは明日配達予定」というメールが届きました。UPS???と思いつつもタイトルが気になったので内容確認したところ、メールに記載のトラッキング番号と事前通知された番号が一緒だったので、その時初めて今回の荷物がUPSで配送されていることを知りました。4もちろんそういう通知とかは一切なかったので、単純に最初から配送業者の案内が間違っていただけということなのだと思います。DHLがUPSに配送委託している可能性もあるかもしれませんが、だとしたらDHLのサイトでトラッキングできないのは不親切よね。。

ちなみに本製品は発送後約4日、別の買い物も約6日で到着した上に関税支払いは荷物受け渡し時の支払いでOKだったので、トータルでは全然満足してます!Fedexとかだと関税支払いクレカとか振込になるケースあったので、それと比べると利便性が雲泥の差なんですよね。。UPSの国内配送は一部地域除いてヤマトに委託してるっぽいので、そういう意味でも安心ですし。

使用感とか音質とか

ヘッドホンアンプとしては普通に違和感なく使えていい感じなのですが、それだけだとアレなので特にここが使いやすい!!とかこういうことができてとても便利!!というのを幾つか挙げたいと思います。Pro iCANと比較して書いてるところもありますが、同機種もヘッドホンアンプ/プリアンプとしては普通の使い勝手だと思っています。念のため。。

  • ライン出力においてアンプのボリュームを通すか、通さないかを選べる。
    • 通常プリアンプ兼用のヘッドホンアンプだとライン出力においてもアンプのボリュームを通るものが多いと思うのですが、それを選べるというのが非常にありがたい。私の環境だと出力先がアクティブスピーカーなのでボリューム調整はそちらでやりたい。かと言って将来的な構成の変更にも耐えられるよう、プリアンプとしても使えるようになっているのもいい。
  • ヘッドホン出力/ライン出力の個別ON/OFFが可能。つまり両方ONもできるし両方OFF(MUTE)もできる。
    • ソースによってはヘッドホン出力/ライン出力どちらか片方だけ出力させたいものがあるのでそういう場合に便利。ライン出力についてはアクティブスピーカー側で入力切替してしまえば良いんですけど、ヘッドホンの抜き差しはあんまり頻繁にやりたくない人間なのでありがたい。先述したように、将来的にプリアンプとして使用する場合においても有用な機能。
  • リモコンで音量調整だけでなく入出力の切替が可能。
    • Pro iCANだと音量調整しかできず、ちょっと不便だったので。余談ですが、リモコンの質感というか高級感はPro iCAN(Pro iDSD)とは段違いです。ぶっちゃけ私自身はあんまりそのへんのこだわりないんですけど、音量調節のみのカードリモコン5というのはもうちょっと何とかならないかな!?と当時思ったのが懐かしい。。
  • あまり発熱しない。
    • 厳密にはちょっと観点が異なりますが書いておきたかった。こちらもPro iCANとの比較。もちろんアンプ自体の設計や筐体のサイズに左右されることは承知の上ですが、設置スペースにあまり余裕がないので特に夏場はありがたい。。。

今思うと、以前使用していたRMEとかGrace Designの機器ではできていたことも多いので、似たような使い勝手を求めている部分はあるのかもしれません。Violectric(Lake People)というメーカーの出自もプロ向けの機材に端を発するものという認識なのですが、同じような設計思想になる部分があるんですかね。

それから、音質には最高に満足しています。正直期待以上でした。事前に調べた限りだと「一聴した限りややもすれば退屈に感じるが、じっくり聴き込むと良さが分かってくる」みたいな感じかなーと予想していたのですが、見事に前半部分だけ予想が外れました。逸る気持ちを抑えて箱出しして初めて聴いた時点であっこれ良いじゃん!!!みたいにテンション爆上がりでした笑。

より詳細な内容については、Sandal Audioさんの素晴らしいブログをご参照ください。本機器自体の記事はありませんが、Viorectoricのアンプの特徴について幅広く記載されているものとなっています。実は購入を検討するきっかけになったのが正にこれらの記事だったりします。この場を借りて感謝いたします。

https://sandalaudio.blogspot.com/2016/03/violectric-hpa-v281.html

Violectricの前世代フラッグシップ機であるV281についての記事です。

https://sandalaudio.blogspot.com/2020/12/niimbus-us4.html

Violectric上位のブランドであるNiimbusのヘッドホンアンプについての記事です。同記事でV590(DAC搭載バージョン)の印象について少しだけ記載されています。

https://sandalaudio.blogspot.com/2021/08/spl-phonitor-mini.html

SPLのヘッドホンアンプについての記事ですが、その中でViolectricの機器の印象についても記載されています。

ちなみに、上流のDACはHugo2とPro iDSDを使い分けてますが、(Pro iDSDの動作モードの変更も含めて)上流の違いを楽しめるヘッドホンアンプだと感じています。Hugo2は直接イヤホンと繋いで使うことも多いので、使用頻度としてはPro iDSDの方が高め。

写真

最後に例によって適当に写真を載せておきます。メーカーサイトに載っていた青い基板が計測機器チックで素敵だったので、私にしては珍しく筐体内の写真も撮影してます。写真自体はいつもにもまして雑ですが。。。


  1. 一定期間(製品によるが基本は1週間程度)の間に購入希望者を募り、その期間内で条件を満たした場合はそのまま購入(条件がない場合もある)、条件を満たさない場合は購入できない&返金という仕組み。また、Drop自身が在庫を持っている製品は通常のECサイトでの製品購入とほとんど同じ。 ↩︎

  2. 詳細はメーカーHP参照のこと。私はリモコン&音量左右バランス調整機能欲しかったのでV550を選びました。 ↩︎

  3. あくまで私の経験上の話です。特に想定外のトラブルとかあった場合はこの限りではないと思います。 ↩︎

  4. 先日Dropで別の買い物した時も全く同じ流れだったので、発番されたトラッキング番号をUPSのサイトで検索したところちゃんとトラッキングできました。 ↩︎

  5. さすがに要望も多かったのか、つい先日発表されたPro iCAN/Pro iDSDの次期モデルではリモコンが大幅にパワーアップしていたようでした。ただ何ができるリモコンなのか公式サイト見ても今ひとつ良く分からない。あと、本体デザインがあんまり好きじゃない感じになってしまった・・ ↩︎