前回予告通り、今回は裁断(機)について書いてみます。
DURODEX 200DX
で、最初はおそらくこの裁断機のレビューというか評価をすべきなんだろうと思うのですが、如何せん私が過去本格的に使用したことのある裁断機が他にないため、書けることがほとんどありません。。敢えて言うなら、カタログスペック・界隈での高評価に偽りなし!!という所なのですが、まあ、それではアレなので、使った感想を箇条書きでまとめてみました。
ちなみに、主な自炊対象の内訳は、同人誌7割、コミック単行本2割、技術書1割の想定。今現在の実績は同人誌約250冊、コミック単行本約40冊。
- 裁断レバー折りたたみ時のフットプリントの小ささが本っ当に有難い!更に、畳んだレバーを持って持ち運べるので取り回しも楽!!同価格帯で同じような機能を持ってる機種って他にないのでは。レバーを畳めない機種も一工夫することで畳んだのと同じ状態にすることが可能なものもあるんだけど、レバーを持って持ち運ぶことはさすがに無理。使用時のフットプリントが小さい機種とか使うのもアリなんだけど、それだと裁断可能枚数が少なくて今回の要求に合わなかった。逆に言うと、24pとか36pとかの一般的な同人誌を裁断するだけならディスクカッターで事足りるし、器用ならカッターでも十分。
- 裁断に必要な力も想像してたよりずっと小さい。同人誌はともかく、コミック単行本に対しても刃がスーッと入っていく感覚があり、裁断と言えば一昔前の小学校にあったような裁ち切り式のアレが思い浮かぶ私のような人間にとってはちょっとした衝撃だった。
- この裁断機は刃受けが着脱式になっていて、このおかげで色々な恩恵があるんだけど、それだけに刃受けをセットしないまま裁断を開始してしまうことがあるので注意。原稿が薄ければ、刃受けが入るはずの溝に原稿押さえ部分で押さえつけられて、溝の形に結構な折り目ができてしまうだけで済むが(原稿の強度が足りないため、刃は原稿押さえ部分より下に降りない)、原稿が厚い場合刃も降りてきてしまいそうなので(原稿の強度だけで刃が降りてきてしまいそう)、そうなると切断後に筐体と刃がぶつかる可能性がある、と考えられる。
- 切断面は直角になる訳ではなく、原稿の厚さなどに応じて相応に歪む。これはこの手の裁断機に共通する話のようで、そもそもそんなことも知らなかったんだけど少し考えれば分かりそうなものだが以下略。どんな風に歪むかはPCwatchの記事が参考になるかと。必然的にページ数が少ないほど歪みにくいけど、少なくても直角ではないことが分かる程度には歪む。
- 個体差かやり方が悪いのか分からないけど、どうも筐体右端(ガイドを乗せる定規?がある方)の数cmだけが若干手前側に曲がって切断されることがある。曲がらない場合もあるし、曲がったとしてもコマ割りの垂直な線と比較しないと分からないレベルなので、あまり重大な問題ではないが。。ちなみに、右端から原稿を少し離して切断した時はこの事象は出なかったけど、偶然かもしれないし、右端のガイド使わずに原稿を垂直にセットすること自体が大変なのであまりやっていない。
- LEDの切断位置ガイドラインはそれなりに参考になるのだけど、構造的に端部分の光量が低いようで、B5サイズの同人誌とかでも表紙の材質次第では光があまり見えない。対象が刃に対して垂直に配置されているかの判断って端の方を見てするものだと思っているので、この部分は改善して欲しい。現状は筐体上のガイドラインに合わせた方がやりやすい。
うん、全然まとまってないですが、参考になれば幸いです。
合わせて、裁断作業そのもののTipsについて、特に私が気になった2点を記載しておきます。
【1】
裁断機の刃でホチキス針などを切断すると刃を痛めるので裁断前にチェックすべきなんですが、通常のオフセット本でも稀にホチキスが使用されている場合があるので注意しましょう(同人誌の場合、折本やコピ本などはほぼ使われているので気付きやすいんだけど、20p-30p台のオフセット本でもそのようなことがありまして・・)
【2】
上記のような例外を除き、オフセット製本されている本は基本的に糊付けで綴じられており、この部分を切断することで本がバラバラになります。従って、切断の長さが足りないと一部のページ(特に表紙/裏表紙とその前後ページ)がくっついてしまいますが、長すぎると内容の一部が欠損してしまう可能性があるため、このへんはトレードオフになります。
心情的には欠損する部分を最小限に留めたい(見開きは切断した時点で欠損しますし)、くっついたページもほとんどの場合手で剥がせるのでギリギリを攻めたい所なんですが、結論から言うと余裕を見て表紙/裏表紙含め全ページがバラバラになるくらいの長さで裁断した方が良いです。私の場合、同人誌は大体3mm-4mm程度で裁断してます。これでもくっつく時はくっつきますが。
理由は以下3つあるんですが、特に3番目が大きいです。2番目は同人誌とかはあまり気にならないんですけどね。(紙がしっかりしているので、ページがくっついたまま出てくるだけで済むことが多い)コミック単行本とかは結構悲惨なことになるので。。
- くっついているページのチェックが面倒。もちろん余裕を見て裁断した場合でもチェックはするけど、表紙/裏表紙のチェックでほぼ十分なため手間を省ける。
- くっついているページ見逃してスキャンした場合のリカバリが面倒。ix500の重送検知機能はものすごく優秀なので、くっついたページをスキャンしてしまった所までは気付ける。そこから先が問題で、コミック単行本のような薄い紙の場合はローラーで引き込まれる時にくっついている部分が中途半端に剥がれたり破れてしまうことが多く、そのままスキャンされてしまうとか、スキャン途中で原稿詰まりを起こすとかが往々にして発生してしまい、後始末が大変。
- くっついたページを剥がすと糊が露出することが多く、この糊が付着した原稿をスキャンするとスキャナの読み取り面に糊の跡が残り、後続のスキャン結果に悪影響をもたらす(白ノイズ線、かすれなど)また、そうして付着した糊を掃除するのがかなり面倒。
尚、この糊付けがどれくらいの範囲(長さ)に渡っているかは印刷所さんや本によって違うようなので、同種の本を裁断する際は一度にやらずに、最初の数冊で最適な長さを見つけた方が良いかもしれません。同人誌はもちろん、コミック単行本でも有意な差がありそうでした。。
++++
という訳で長くなりましたが、次回はスキャナの話をしたいと思います。内容をカラーとモノクロに分けても良いかもしれません。。