主に言いたかったことは先の感想で一通り書いてしまっているので、改めて見て気づいたことなんかを書いてみます。
じんたんも最初はめんまの存在を拒絶したこと
第1話であっさりめんまを受け入れたことは記憶していたのですが、一回突き放していたことは忘れていました。もうちょいめんまの存在についてゆきあつ並みに葛藤があっても良いのかなとは思ったのですが、それは元々じんたん自身が(めんまの再出現を)望んでいたということや、単純に当時のじんたんにそういう小難しいことを考えている余裕がなかったからかなぁと思っています。それこそ1話目から色んな人にめんまの話をしてしまっている訳ですし(本来まともに頭が回っていればもうちょい色々考えられたはず)、9話でつるこが(何故めんまが筆談できたのを言わずに)めんまの存在を合理的に証明しようとしなかったのか疑問を呈していますが、その原因も同じかと。
めんまも最初は無邪気に霊をやっている
これが意外でした。最も、みんなに認知されるくらいからのめんまは「生まれ変わりする」ことをきちんと認識して動いているのですが、それこそ1話2話では無邪気にはしゃぎ回っていて、しかも「変わってしまった」超平和バスターズの面子相手なもんだからじんたんもしんどかったろうなと思います。実際に「生まれ変わる」ことへの意識がはっきりしたのは、おそらくじんたんを泣かせた時なのかなと思いますが。作中よく分からなかったのは、めんまは何時本当の願いに気づいたんだろうということ。消える直前では絶対にないと思っていて、きっと花火についても上がる前には「本当の願いと違う」ことが分かっていたと思うのですが。何回か出てきたじんたんの母親の回想時?だとすると、自分が生まれ変わりするであろうことが分かっていたからこそ、ちゃんとじんたんに対して生まれ変わると宣言できたのかなとも思うのですが、さて。
何回かぽっぽの抱えていたトラウマは伏線として出ていた
最初見た時ぽっぽのトラウマは当然出てきたというか、ほとんど伏線がないように思えましたが、よくよく見ると所々で出てましたね。10話でじんたんに対して囃し立てた所とかもそうですが、6話か7話はじんたんの家で成仏を願ったりする所とか。
つるこのあなるに対する感情も伏線として出ていた
こっちはもっと分かりやすい。最初は単純に虫が好かないというか相性の問題なのかと思っていましたが、ゆきあつがあなるを助けに駅の外に出るシーンでつるこの口元が映されているあたり、ああもうこの辺から伏線としてあったのか芸が細かいなぁと。
8話でめんまがそこにいた事に対して、心から本当に喜んでいる人間は誰もいなかった
もうちょっとみんな喜んでいたかなと思いきや全然でしたね。ゆきあつやつるこは苦虫を噛み潰したような表情の通り、あなるやぽっぽは少し喜んでいたように思えますが、それも「めんまと再び対話できること」ではなく、「めんまが自分の死を誰かのせいにしなかったこと(=怒っていなかったこと)」に安堵していただけ。多分、再び対話できることを一番望んでいたのはじんたん以外では間違いなくぽっぽでしょうが、彼にしても結局その機会を(本来の自分の目的を達する意味では)結局使用できていない。
話がちょっと逸れますが、皆のエゴが最も剥き出しになっていたのが8話のラストシーン一歩手前なのかと思います。自分の望みと自分が抱えるトラウマを全て握っているのがじんたんで、めんまが存在する証拠もない以上、めんまが存在するように振る舞うじんたんを激しく詰る訳ですが、詰ったのがゆきあつだけでなくつるこやあなるもだったという所が、それぞれの本当の思いを表していたように思えます。そういう、じんたん以上に(存在を否定されることになる)めんまがあの場に入ってきて、(めんま自身も意識してやらなかった節のある)存在証明をあの表情でやってのけるあたり、つるこの言うように「めんまには敵わない」と感じたりします。
花火が上がってめんまが消えなかったから、「超平和バスターズ」は元通りになれた
逆に言うとそれまで皆びっくりするくらい自分のことしか考えられてなかったんだなぁ、と改めて実感。
・じんたん:めんまの願いを叶えたいけど、めんまには消えて欲しくない、今のこの状況にもある意味満足
・ゆきあつ:じんたんだけがめんまを認識できる今の状況が耐えられず、早くめんまに成仏して欲しい
・あなる:じんたんに振り向いて欲しいからめんまには成仏して欲しい
・つるこ:ゆきあつに振り向いて欲しい、叶わなくてもめんまが成仏すればあなるとじんたんがくっつくかもしれない
・ぽっぽ:自分の罪の清算にはめんまを成仏させることが重要だ
大雑把に書きだしてみたけどこりゃひどいw花火を運んでるシーンとか心の中で本音全開だものwwつることか利害の一致とか呟くし、じんたんはあれだけ苦労して完成させた花火を止めようとするし。ただまぁ皆自分の考えていることが(めんまの願いを叶えて成仏させるという観点では)ひどいことが分かっていて、後ろめたい感情があったからこそ、最終話のあの展開に繋がったのでしょうが。
にしても正直唐突な展開というか、普通のエゴ剥き出しの人間から一気に聖人になりすぎだろうという感も改めて受けましたが。それだけ超平和バスターズは皆いい子なんだよ、ということにしておくにしても他に何か伏線ないのかしら。めんまの家族の存在もあるか。後は、後ろめたさで集まるだけ集まって、本音の暴露大会になったのはあなるのおかげという解釈もアリですが。つるこはそれはそれで最もらしいことを最初に言ったわけだし。