ずーっと前に買った3巻と、少し前に買った4巻をようやく片付けたので、ここまでの感想文。例によってネタバレあり。


まず、話の面白さやワクワクドキドキ感は1巻が最高でありクライマックスだった。今まで自分が読んできた小説でも、あれだけ読み進めていく内に一喜一憂した作品はフルメタくらいだったと思う。(エンディングだけなら狂乱家族日記もタメを張れるけど)

個性的なキャラクター、自分の意志とは関係なく災厄を撒き散らす精霊の存在、「デートしてデレさせる」という懐柔の方法に対して暴走するクルーの面々、そして危機的状況から主人公(士道)の秘めたる力が発動してのどんでん返し、張られた幾つかの伏線などなど、この話の続きを読んでみたい!!と思わせる内容が満載で。名前のない精霊(十香)に名前付けたところあたりはもう私の琴線ビンビン触れまくりだった。

その面白さやワクワクドキドキ感が2巻以降は薄くなってしまったというのが正直な感想。理由は簡単で、話の目的や流れが見えてしまっているが故のマンネリを感じるようになったから。新しい精霊が出てくる=>何だかんだありながらも士道とデート=>他のキャラクターと一悶着、クルーに色々振り回される=>こじれる=>バトルシーン=>更に色々こじれる=>士道がデレさせて精霊とキス=>解決!!っていう流れを分かっていながら何回も見るというのは結構しんどい。振り回される部分の描写は面白いんだけど、どいつもこいつも愛情が深すぎて..特に折紙!!(折紙のキャラは好きですよ?)

そのあたりは考えているのか、3巻4巻では話の筋を色々と工夫したりいきなり表紙で伏線1つを回収してみたり(3巻読んでなかったからかなり驚いた)とテコ入れを図った節が見受けられるものの、1巻ほどのインパクトは感じなかった。つーか4巻の琴里&折紙の伏線回収早すぎだろうと!!カルマを見ていても伏線を溜めておくタイプには見えなかったけど、もうちょっと溜めて出した方が色々とインパクト強かったんじゃないのか?出さないと打ち切りが見えるのか!?とこっちが心配になるくらい。まー早い内に出しておかないと話を回していく上でしんどいんだろうなぁと思わなくもないけど、もう1巻くらい溜められたと思うのよ・・!!実にもったいない。

後はASTの存在があんまり活かされてないのが不満。割と設定もしっかり作ってあって描写も丁寧なのに、折紙をバトルシーン(士道と精霊の対話)の中に捻じ込んでくるとか、逆に士道と精霊をバトルシーンに突入させるトリガーくらいにしか使われてないのが悲しい。士道がラタトスク側の人間なんだから仕方ないんだろうけど、全然話の中で交わってこないのは何とかならんのか。番外編とかあればなぁ。ASTのルーツとなる技術さえ精霊の存在に集約していくような展開を期待、というかそうなるんじゃないかなーと思っていたりする。まぁなんだかんだで今後に期待ということにしておきます。

さて、次は蒼弩のカルマ最終巻かな。